「安心⇒誇り⇒挑戦!」

未曾有の危機からの発展的回復に全力で取り組み、県民一人ひとりが求める安心で誇りをもって過ごせる広島県の実現に挑戦をしてまいります。

長く終わりの見えないコロナ禍の生活の中で、多くの県民・事業者には多大なご協力を頂き、心から感謝を申し上げます。しかしながら、未だ多くの県民の皆さんが傷つき、疲弊しておられます。何よりもまず、新型コロナ感染症を押さえ込み、一日も早く日常を取り戻すため引き続きのご協力を切にお願いします。そしてアフターコロナでは、すでに起きている様々な変化-密や接触を避ける行動様式、リモートワークの拡大、効率一辺倒の価値観の見直し、デジタル技術の活用など-を踏まえつつ、単純にコロナ前に戻るのではなく、経済的にも社会的にもより良い形での発展的回復を図り、県民の皆さんにより安心で活力ある生活を送って頂くよう、私も全力を尽くして参ります。

しかし、コロナ禍にあっても、AIなどデジタル技術の進化による急激な社会変化や人口減少の進展、繰り返す大規模災害など、私たちを取り巻く世界は否応なしに変化しており、これからも様々な構造的な課題を乗り越えていかなければいけません。そして、私たちには子供や孫の世代に「誇らしい広島県」をつないでいかなければならない責任があります。

幸い、広島県は、「分散」が可能な自然豊かな海や山の地域と、人が集い新たな力を生む街の「集積」が近接しています。それぞれの持つ力を合わせて発展させていけば、効率を追い求める「過密」から、より人間らしく豊かな「適散・適集」へという価値観の変化に基づく、次の時代の先駆者となる力を持っています。

「安心」を回復し、「誇り」を高め、広島県の底力をもって「挑戦」すれば、誰もが「生まれ、育ち、住み、働いて良かったと心から思える」広島県を実現できます。

私は、県民の皆さま、県議会、市町、そして広島県作りに関わる様々な主体と力を合わせ、先頭に立ってその実現に邁進させていただきたいと考えています。

【新型コロナ感染症対策】

  • 可能な限り感染を制御し、大きな感染拡大を防ぐことを基本とし、制御が難しい拡大が起こった場合には、「早く、深く、短く」を基本とした行動制限等により社会経済への影響を極力小さくして、ウィズコロナ時代において、トータルに感染拡大防止と日常の社会経済活動が両立することを目指します。
  • そのため、若者を含め、ワクチン接種率を可能な限り高めることにより、感染拡大に対する社会としての抵抗力を高めるとともに、PCR等の検査を充実し、幅広く速やかな感染者の特定と感染連鎖の防止を図ります。
  • ワクチン接種率の向上のため、接種を迷う人たちに対する積極的・効果的な勧奨を進めるとともに、県による大規模接種会場の設置など、市町と連携した円滑な接種体制を確保します。
  • 子供たちを感染から守りつつ、学びを確保するため、オンライン授業ができるよう市町との協力を進めるとともに、承認され次第、子供たちのワクチン接種も速やかに進めます。
  • より感染力の強い変異株等に備え、中等症や重症者が適切な医療を受けられる病床数を確保するとともに、酸素センターのほか万が一の急拡大の場合にはいわゆる「野戦病院」を開設します。
  • 抗体カクテル療法の体制整備、在宅療養者に対するオンライン診療など、医療機関と連携し、治療・療養に対する幅広いニーズに対応します。
  • やむを得ない行動制限の際には、影響を受ける幅広い事業者に速やかな経済的支援を行うとともに、十分な支援の裏打ちとなる財源確保を国に求めます。
  • 大都市圏の感染拡大が飛び火しないよう、長距離移動に対する適切な対応を国に求めます。
  • 日常への回復が可能になった段階で、特に大きな影響を受けてきた飲食や観光事業に対する積極的な需要喚起策を実行します。
  • コロナ後の新たな環境変化に積極的な対応ができるよう、新たな営業先確保やビジネスモデル進化のための中小企業支援を積極的に行います。

【安心をつくる】

  • 住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができる質の高い医療・介護サービスの実現を図ります。
  • 性別、年齢、障がいの有無、民族、国籍などの多様性を認め合い、支え合いながら自分らしく活躍でき、安心と活気あふれる共生の街作りを進めます。
  • 子供を持ちたいと思う人が安心して子供を持つことができる環境を整備します。
  • 様々な主体と連携しながら、すべての子供たちを多面的・継続的に見守り、必要な支援を届ける「ネウボラ」を中心とする仕組みを整備します。
  • その後の育ちに大きな影響を与える乳幼児期の教育・保育の質を高めます。
  • 学びのセーフティネットを充実し、様々なチャレンジに直面する子供たちをしっかりと支えます。
  • ネットカーボンゼロやプラごみゼロなど、次世代も安心して暮らせる環境を目指します。
  • 頻発・激甚化する風水害などから生命・財産を守り、「災害死ゼロ」や「県民生活や経済への影響の最小化」を図るハードとソフト対策を進めます。

【誇りを高める】

  • 新たなサービスやエンターテイメントが集まり、イノベーションが生まれる街と、豊かな自然に囲まれ、地域に愛着を持ちながら住んだり働いたりできる里山・里海をつくります。
  • 地域ごとの「わがまちスポーツ」を楽しめる環境をつくります。
  • 農産物や水産物のブランド化により、県内外の多くの人から評価される姿をつくります。
  • 国内外の多くの人が、広島県でしか得られない価値に触れ、もう一度来たいと思われる観光地づくりを進めます。
  • 子供たちが持っている可能性を最大限に伸ばし、新たな時代を生き抜くために必要な力をつけることができる「学びの変革」を、世界に先駆けて広く定着させます。
  • 広島が国際平和拠点として世界から認知され、平和への期待が集う場になることを目指します。

【挑戦する】

  • 里山や里海で、様々な人や企業が、地域ならではの資源や基盤を生かして、新たな事業や経営発展にチャレンジし、働き続けられる環境をつくります。
  • キャリア教育、リカレント教育などを通じ、生涯にわたって学び続け、新たな環境や仕事にチャレンジし続けることができる環境をつくります。
  • 女性、チャレンジド、外国人など、多様な全ての人が、それぞれの夢や希望を実現できる社会環境と就労環境をつくります。
  • 技術革新や環境変化などに対応できるイノベーションが次々に生まれる「イノベーション立県」を実現します。
  • 次の世代に安心で豊かな暮らしをつないでいけるよう、行政、産業、社会のあらゆるシーンでデジタル技術やデータを最大限活用するDX先端県を目指します。

「将来にわたって、『広島に生まれ、育ち、住み、働いて良かった』と心から思える広島県の実現」を目指して、引き続き尽力して参ります。県民の皆様のあたたかいご支援を心よりお願い申し上げます。

令和3年10

ゆざき英彦